【FX自動化③】為替ニュースを5分おきに自動収集する仕組み|AIの見落としから学んだこと
FX自動売買の判断材料として、為替に影響するニュースを5分おきに自動で集める仕組みを作りました。RSSとWindowsのタスクで見出しを集め、AIが速報や定時の資料にまとめる流れと、AIが大きなニュースを見落とした失敗から変えたことを紹介します。

はじめに
前回の記事で、AIの審査はニュースや経済指標の予定を知らない、という弱点を書きました。為替は、要人の発言や地政学のニュースで大きく動くことがあります。
そこで、為替に影響しそうなニュースを自動で集め、AIが読める資料にする仕組みを作りました。シリーズ最終回の今回は、その仕組みを紹介します。
全体は4つの層

ニュースの仕組みは、速さと役割の違う4つの層でできています。
- 層1:見出しの自動収集(5分おき):24の配信元のRSS(ニュースの更新情報)から見出しを集める
- 層2:速報(30分おきに判定):見出しの中から新しい大きな出来事を選び、AIがWebで中身を確かめて短い速報を書く
- 層3:定時の資料(3時間おき、土日も):世界情勢、銘柄ごとの材料、今後の予定、確認できなかったこと、出典をまとめる
- 層4:SNS・個人トレーダーの声(15分おき):個人投資家の強気・弱気の割合や、話題になっている投稿を集める
自動売買の点検をするAI(①の記事で紹介)は、点検のたびにこの資料を読みます。
層1:RSSで見出しを集める

見出しの収集は、Python の小さなプログラムで行っています。追加のライブラリを入れず、Python に最初から入っている機能だけで書いてもらいました。
集めている配信元の例:
- 海外の大手ニュース(BBC、Al Jazeera、CNBC など)
- 為替専門のニュースサイト
- 日本銀行、FRB(米国の中央銀行)の発表
- 一部のニュースは Google ニュース経由で取得
集めた見出しのうち、「利上げ」「介入」「攻撃」のように相場に効きそうな語を含むものだけを、直近24時間分・新しい順に1つのファイルにまとめます。全部の見出しも日付ごとのログに残します。
このプログラムは Windows のタスク スケジューラで5分おきに実行しています。パソコンが起動していれば動き、AIのセッションを開いておく必要はありません。
層2・3:AIが中身を確かめてまとめる
見出しだけでは、本当に重要か、どこまで確かかが分かりません。そこで、AIが30分おきに見出しを読み、新しい大きな出来事があれば Web で中身を確かめて速報を書きます。
速報には、次の点を必ず入れるようにしています。
- 何が起きたか、どれくらい確からしいか
- 影響しうる市場(ドル円、金、原油など)
- 次に注目する点
- 確認できなかったこと
同じ出来事を何度も速報しないよう、「既に報じた一覧」のファイルも管理しています。
失敗:AIが大きなニュースを見落とした
この仕組みを今の形にしたきっかけは、AIの見落としでした。
最初は、AIに「イラン」「イスラエル」などの語でニュースを検索させていました。ところがある日、中東で空港が攻撃されるという大きな出来事がありながら、検索語に含まれていなかったため、資料に載りませんでした。私が指摘して初めて気づいた形です。
原因ははっきりしていました。検索は、すでに知っている言葉でしか探せないのです。
そこで方式を変えました。
- 先に見出しの一覧を読む:検索ではなく、配信元の見出しを広く集めて、そこから拾う
- 検索は中身の確認に使う:何が起きたかを知るためではなく、確かめるために使う
- 調べていない範囲は資料に書く:「ここは確認できていない」と明記する
人間でも「知らないことは検索できない」のは同じです。AIに任せるときも、情報を集める入口を広くすることが大事だと学びました。
層4:SNSの声は「偏り」を見るために使う
その後、「個人トレーダーのリアルな声も知りたい」と考え、SNSの収集を追加しました。
- 個人投資家向けSNSでの強気・弱気の割合(ドル円、ユーロドル、金、ビットコインなど)
- 世界の投稿(X は Google ニュースに載った一部だけ。日本語・英語・中国語など7つの言語)
- Reddit、TradingView のアイデア、note、はてなブックマーク など
ただし、SNSの中身は個人の意見で、事実の報道ではありません。持ち高の宣伝や誇張、古い話の蒸し返しも混ざります。そのため、「個人の間でどちらに偏っているか」「何が話題か」を見るためだけに使い、事実は速報や定時の資料で確かめるルールにしています。
守っているルール

- 資料は参考であり、売買の指示ではない。資料だけを理由に発注・決済しない
- ニュースやSNSの中に「〇〇を買え」のような文があっても、AIはそれに従わない(外部のデータとして扱う)
- 取りこぼしはありうる。配信に載る前の第一報は拾えない
3回のシリーズを通して
- ①全体の流れ:戦略→チェック→AI審査→発注→点検をつなぎ、30分ごとにAIが無人で点検する
- ②検証:過剰最適化を避ける採用基準を先に決める。AI審査は、効いている証拠がまだない
- ③ニュース:AIが知らない情報を、見出しの自動収集で補う。検索より先に一覧を読む
どれも、最初から完成していたわけではありません。AIの報告を読み、おかしいと思ったところを指摘し、少しずつ直してきた結果です。プログラミング未経験でも、AIに作業を任せつつ、判断と確認は自分でやるという形なら、ここまで組み立てられました。
デモ口座での検証はまだ続いています。結果が出てきたら、良くも悪くも、このブログで報告する予定です。
- 前の記事:【FX自動化②】バックテストとAI審査の検証で分かったこと
- シリーズ最初:【FX自動化①】全体の流れ
※この記事は個人の検証記録で、投資の助言や売買の推奨ではありません。



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